宇宙論 5月6日時点における自分の現状報告

こんにちは。自粛期間中ですね。皆様はいかがお過ごしでしょうか?僕はバイトが完全になくなって困りつつも、毎日自分の部屋で楽しく過ごしています。

B4である僕は宇宙論班に属しているので、最近は宇宙論の勉強をしています。B3メンバーでも「今のところ宇宙論に興味あるかな~。」って方が何人かいたので嬉しいですね。一緒に頑張りましょう!

ということで、今回のブログでは僕のおおまかな目標と現在どこまで進んだかを簡単に報告したいと思います。

 そもそも宇宙論とはどんなことを学ぶ学問だと思いますか?もちろん宇宙についてなのですが、例えば、「宇宙に果てはあるんだろうか?」「宇宙の始まりっていつなんだろう?」「宇宙はどのように進化していくのだろう?」「星や銀河のような宇宙の構造はどのように出来るんだろう?」といったような疑問を研究していく学問です。このような疑問は大昔からあり、その時代ごとに様々な宇宙モデルが作られていったのですが(例えば、アリストテレスの天動説など)、現代宇宙論は一般相対性理論から始まったと言えるのではないでしょうか。今からだいたい100年前ですね。

では、この時どんな宇宙モデルが作られたのでしょうか。一般相対性理論においてアインシュタイン方程式という、「時空の歪み具合と物質のエネルギーや運動量の関係」を表す式があります。この式は、ニュートン力学でいうと重力のポテンシャルエネルギー(を求めるためのポワソン方程式)に相当しています。そして、「宇宙空間はどこから見ても同じ = 空間の一様等方性をもつ」と「物質を集合体としてみるとエネルギーや運動量の保存則を満たす = 完全流体である」という二つの仮定を取りいれることで、アインシュタイン方程式からフリードマン方程式が導かれます。フリードマン方程式は宇宙の大きさがどのように進化してきたかが分かるもので、これを解くことで宇宙空間が膨張したり、収縮している解が得られることが分かります。

具体的には、宇宙の形(実際には曲率で表され、3次元の球面か双曲面か平面の一様当方な空間となります。いわゆる球の表面のような2次元球面ではなく3次元面です!)と宇宙空間を主に満たす物質の種類(あるいは以下に述べるようなダークエネルギー)によって、宇宙の大きさの膨張の仕方が変わってきます。観測によると今現在の宇宙を支配するのはダークエネルギーなので、宇宙の形によらず、指数関数的膨張をしていることがフリードマン方程式の解から分かります。

この宇宙が膨張しているモデルは、観測から発見された「遠くの星ほどより速く遠ざかっている」というハッブルの法則からも支持されることになったのです。更には、後の観測結果から時空自体にもエネルギーが付随していることが分かり、これは真空のエネルギーとして「ダークエネルギー」と呼ばれているものが宇宙定数としてアインシュタイン方程式に取り込まれています。

このようなものが現在の宇宙モデルなのですが、ビッグバンよりも前に起こったインフレーションやそれ以前といった初期宇宙について考えるには量子論を取り入れた量子重力理論も取り入れていく必要があります…、ここらへんは特に難しいですね…ぼくはここまで勉強できていないのでここらへんでやめておきましょう!

上では宇宙の進化モデルについて簡単に触れただけですが、他にも例えば、水素やヘリウムなどの軽元素が出来る過程や銀河が形成される過程について研究する話もあります。…などといろいろ言ったものの僕もまだまだ宇宙について何もわかっていなく研究テーマも具体的に決まっていません。それを打破するためにとりあえずは宇宙論の教科書で勉強していくことが今の目標です。使用している教科書は、日本評論社出版のシリーズ現代の天文学「宇宙論Ⅰ 宇宙のはじまり」と「宇宙論Ⅱ 宇宙の進化」です。計算などは出来る限り追うもののとりあえず宇宙論の各論に触れられることを目標に、七月いっぱいまでには終わらせたいですね!皆さんも一緒に頑張りましょう!

そして今現在どこまで進んだかというと、上で述べたフリードマン方程式の解のふるまい等が終わって、地平線を勉強しているところです。それが終わったら宇宙の熱史に入るでしょう。やっていないことはまだ僕もわからないのでまた次回にでも話しましょう。

例年よりも進むペースが遅いらしいのですが頑張るしかないですね!皆さんも一緒に頑張りましょう!

小林研究室

東京学芸大学 小林研究室 (宇宙・素粒子研究室)

0コメント

  • 1000 / 1000