ブラックホールに吸い込まれたらどうなる!?

皆さんこんにちは。先日、ふと外を見たときダブルレインボー(虹が同時に二つ見える現象です)を見て一人で感動した B4 の大野です。

今回は僕の研究内容でもあるブラックホールについてお話をしていきたいと思います。


突然ですが皆さん、一度はブラックホールに吸い込まれてみたい!と思ったことは ありませんか?でも、一度吸い込まれたら最後、もう二度と外に出ることができないと言われているので勇気がいりますよね。しかし、一般相対性理論を使えば、ブラックホールに吸い込まれるまでどんなことが起こるのか体験しなくても知ることができます。 では、見ていきましょう!


ブラックホールはとても大きな重力をもっています。重力はブラックホールに近いほど強くなっています。例えば、ブラックホールに落ちていく人について考えてみましょう。



上にある絵をご覧ください。足からブラックホールに落ちていく様子を表したものに なっています。どうでしょうか?ブラックホールに近づくと人が伸ばされていますね。これはブラックホールからの距離で重力が異なってしまうことが原因で起きているの です。頭より足の方がブラックホールに近いので、引っ張られる力に差が出てしまいます。そのため、体が引き伸ばされてしまっているのです。(スパゲッティ化現象と言われています。) ブラックホールに近づけば近づくほど引っ張られる力が強くなって しまうので、本当に人が吸い込まれてしまったらどうなってしまうのか考えるだけでも恐ろしいですよね...。 


また、重力の大きさが違うと時間の進み方も違うといったことも分かっています。 最近では東京スカイツリー展望台では地上よりも一日で 10 億分の 4 秒早く進んでいることが測定されたそうです。(ものすごく小さいですね!)ブラックホールから遠くに いる人からブラックホールに近づいているものを見ても同じ現象が起こります。だだ、先程の説明でもあったようにブラックホール周辺の重力はとても大きいため、この差が 大きくなってしまいます。ブラックホールに近づいていくと、どんどん動きがスロー モーションになっていきます。ブラックホールには光が脱出することができなくなって しまう領域があり、その境界を「事象の地平面(イベントホライゾン)」と言います。 そこへ観測しているものが到達するとずっと静止しているように見えてしまいます。これは、遠くで観測している人の時計を基準にしてしまうとこういった現象が起きてしまいます。イベントホライゾンに入った後の運動は、座標の取り方を変えてあげる(ブラックホ ールに落下している人視点にする)ことで説明することができます。


さて、今回はブラックホールに吸い込まれていくとどうなってしまうのか見ていき ました。ブラックホールについて詳しく、丁寧に書かれた記事を太田さんがどんどん 上げているのでぜひ、そちらの方もご覧ください。


新型コロナウイルスの影響で我慢しなければいけない日が続いていますが、この ブログや、小林先生が上げてくださっている YouTube の動画などをみて、少しでも 「物理面白い!」と思っていただければ幸いです。


では、また!

小林研究室

東京学芸大学 小林研究室 (宇宙・素粒子研究室)

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